桜、月夜、愛おもい。



あれから二日経った。


私は今、自分の部屋でのんびりとくつろいでいる。そして何故か咲菜まで。



凛桜とは、あれから会っていない。

気まずいまま別れたせいか、いつもは登校途中に桜の下にいる凛桜はいなくて、かと言って私から会いに行くことも出来なくて、私はあの桜の精と、会話はおろか顔さえも見ていなかった。


あいつと一日でも会わないのは、初めてだ。


毎日、平日は学校が終われば、休みの日は暇が出来れば、私は凛桜のところへ行っていたから。


行くのに、特に理由があるわけじゃない。

ただ、足が勝手に動いてしまう。


たぶんあいつは、いつの間にか私の生活の一部になりつつあるんだ。



「はぁ……」


やる気のまったくない溜め息が、私の口から漏れる。



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