桜、月夜、愛おもい。
凛桜はにっこり微笑んで、首を傾げた。
その姿がメチャメチャ可愛くて、私は真っ赤になって視線を凛桜から外す。
「あっ、ダメだよぉ」
外した視線は、凛桜の手によって戻された。
目の前の綺麗に整った顔が、ジッと私を見つめた。
そして微笑んだ。
「僕ねー。人間になっちゃったみたい」
「………みたいって…」
無邪気に笑う凛桜に、私は溜め息をつく。
目の前の(元)桜の精は、自分が人間になったことを何とも思っていないらしい。
「そうでもないよ?多分僕、明日にはいなくなるから」
そして明日にはいなくなるらしい。
って……
「は?」