白の中の虹【クリスマスのちょっぴり儚いラブストーリー】


私は、顔をあげて、みる。


すると、そこには忘れようとしていた、テルがいた。


「ほんもの?」


「本物!」



テルはそう言った。


確かに、そう言った。


声も、顔も、体つきも、言葉の掛け方も……。


テルの、素敵な笑顔も……。


一年前の、クリスマスの日までと変わっていなかった。


ただ一つ変わったのは、背。


私と同じ位だった背が、私の顔一つ分位、高くなっていた。

< 8 / 15 >

この作品をシェア

pagetop