銀色幻夢
「―――っ!? いないって、どういう事!?」


「そのままの意味だ。もう、村長の屋敷にお前の祖母はいない。この世にもな。」


信じられない言葉を吐いた白弥を私は睨みつけた。


けれども、彼の表情は真剣で。


「嘘だと思うのなら、行けば良い。俺が送ってやる。だが、帰りはお前も共に来るんだ。」


頷きも、拒否もしない私を見た白弥は、昨夜も着ていた白い着流しを羽織ると、狼に姿を変える。


乗れと促され、その背中に跨がると、白弥は風を切って走り出した。



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