銀色幻夢
みるみる血の気が引いていく私に気づかない和成は、なおも話し続ける。


「銀のオオカミなんて、いてたまるかよ。んなもん見る奴は頭いかれてんだ。
………で、砂雪。話がある。」



下を向く私の腕を掴み、引き寄せる。


驚いて体を強張らせた私を見て、和成は――




「――かずな……ッ、!?」


私の後頭部を右手で抑え、ぐんっと顔を近づけて……




唇を、荒々しく奪って行った。


< 19 / 40 >

この作品をシェア

pagetop