銀色幻夢









「………和成様――!」


その声で、はっと我に帰る。


村長の家で家政婦をしていた、浅香(アサカ)さんだ。

彼女の後ろから、どんどん村の人達がやって来る。



「…砂雪!? どうした、何があった!!」


怒ったような、その声。

和成を診療所に運ぶおじさん達。


全てが、返り血を浴びた私を見ていた。


『化け物』として。






その瞳が冷たくて、思わず人々に背を向けると、視線の先には、白いもの。


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