銀色幻夢



沈黙、とはこの事か。


言いにくそうに、呟いた白弥は、俯いたまま。


言葉も出ない私。


……何、それ。



生贄………?


私が? どうして? 白弥が見つかった年に産まれたから?



「……ふ、ふざけないでよ……っ! 何その掟…っ。私の気持ちも、白弥の気持ちも無視じゃない!!」



手が震える。


私は、こんなに弱かった?


枯れた筈の涙はまだ枯れてなかった。


後から後から、こぼれ落ちては土を濡らしてく。





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