銀色幻夢
「生憎だが、見るつもりなら堂々と脱がして見るさ。人間と違って、な。」


顔色一つ変えずに返される。

何か凄い事を言われたような気がしたが……まぁ、そこは置いといて。


「じゃあ、何の用? 見ての通り、水浴び中なんだけど。」


問い返せば、白弥の口元だけがにやりと笑う。

「朗報だ、砂雪。村の連中は、本気でお前を裏切り者として探し出す気らしいぜ。」


「………そう。」



ざぁっと風が吹けば、水面(みなも)が波打つ。

……覚悟はしていた。


和成を刺してしまったんだもの。

追われるのも、目に見えてた。


けど、だけど……



< 37 / 40 >

この作品をシェア

pagetop