銀色幻夢


「………砂雪、泣くな…」


「……っ、」


やっぱり、きついよ…


裏切り者。その言葉が、重くのしかかってくる。


「朗報」なんて冗談を言った白弥に皮肉を言う余裕すら無い。


ぽろぽろと、さっきよりも多くの涙が頬を伝う。



「………泣くな」


池の中だから、濡れてしまうというのに、白弥は気にせず水に入り、私の涙を拭った。


そして、きつく私を抱きしめた。




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