銀色幻夢
すると、先程兎達が飛び出して来た茂みから、赤い光二つ、見えた。


「―――ッ!?」


(何あれ……まさか、人魂?)


怯えながらも目を懲らして見ると、それは赤い瞳のようで。


「誰か―――、誰か居るのッ!?」


思わず叫んだ私の言葉に反応するように、赤い光がゆらりと動く。

不思議と、もう恐ろしさは感じなかった。


ただ、助かりたい一心だけ。



すると、赤い光が私に近づいて来る。



「―――人間の娘か?」


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