銀色幻夢
「娘、名は何と言う。」
私への果物等の食事や、薬草での治療を済ますと、近くに寝そべってこっちを見つめる。
「………砂雪。あなたは?」
「白弥(はくび)。……ところで砂雪。お前は幾つだ?」
「16だけど…」
狼――白弥は、その答えを聞くと、にやりと笑った(ような気がした)。
すると、なんと白弥の体は闇と同じ色へと少しずつ変化してゆく。
「―――あ…」
完全に闇と同色になると、今度は瞬きの間に、人の姿へと変化していた。