銀色幻夢




「娘、名は何と言う。」


私への果物等の食事や、薬草での治療を済ますと、近くに寝そべってこっちを見つめる。


「………砂雪。あなたは?」


「白弥(はくび)。……ところで砂雪。お前は幾つだ?」


「16だけど…」


狼――白弥は、その答えを聞くと、にやりと笑った(ような気がした)。


すると、なんと白弥の体は闇と同じ色へと少しずつ変化してゆく。


「―――あ…」


完全に闇と同色になると、今度は瞬きの間に、人の姿へと変化していた。




< 8 / 40 >

この作品をシェア

pagetop