花にアラシ
「…騒がしいな…」
「えー?聞こえる?奏」
「…階段下が騒がしいな…誰が来たんだか」
日のあたる屋上。
そこに赤い毛皮の絨毯の上に黒い革張りの高級ソファーが鎮座しており、日よけか、雨よけか、もしくはその両方用か、校舎からは赤い屋根が降りている。
そして、屋上入り口には数名の生徒と、
高級そうな革張りのソファーに座る、3人の男。
濡れ羽色の、肩までのびた緩くウェーブのかかった髪型の男を挟み、右側には、色を抜き過ぎたが故のミルクゴールドの外ハネの激しい髪型をした男と、左側には中央の男と同じ漆黒の、だがばっさりと切られた短髪、一見すると優等生に見える男が座っていた。
「ちょ、駄目だってばアンタ!かってに入られちゃ困るんだよ!」
「悪い事は言わねえ、やめときなってお嬢ちゃん」
屋上入り口の、ドアの手前。
騒がしい声はもうすぐそこまで来ていた。
そして。
―――バァアアアン!
勢いよく、屋上への扉は開かれた。