【BL】だいすきな青へ-Lost Memorys-



20XX年12月23日


迷った結果、ライブ行った。

理人には昨日助けてもらったし。

まぁ、行ってめちゃくちゃ後悔すんだけど。

「結局、来たんじゃん。」

「来いっつったのはお前だろ。」

ゴスパン系の衣装に着替えた理人は満足そうに笑った。

キバツなメイクだけど、理人は元がいいから似合う。

何人か中学ん時のやつらも出てて、相変わらずでなんか安心した。

理人の出番が終わればすぐに帰ろうと思った。

イヤな予感しかしねぇし。

イヤな思い出も浮かんでくるし。

「琉生帰んの?」

「明日朝からデートだし。」

「じゃあ次だけ見てけよ。」

理人が憧れてる人のバンドの番らしい。

じゃあそれだけ見て帰るって言ってスタジオに戻った瞬間後悔した。

「俺、あのギターの人に憧れてんだ。めちゃくちゃ上手くてかっこよくねぇ?」

理人の言葉なんて入ってこない。

離れてたのに一目で分かる。

久しぶりにみたあの人の姿に苦しくなってきた。

あの人のギター弾いてる姿に泣きそうになった。

――――――結也さん

不意に目が合ったかと思ったら、びっくりした表情を浮かべたあと不敵に笑った。

そんなわけねぇよ。

こんだけ人がいて、こんだけ離れてんだ。

俺に気づくはずねぇ。

終わった瞬間に逃げるようにスタジオを出たのに、後ろから追いかけてきた人に腕掴まれた。

「――――琉生」

「ッッ、はなせ!!」

抵抗しても振り払いきれずにトイレの個室に引きずり込まれた。

「なにしてんの?こんなとこで。」

「結也さん…!」

「ねぇ、俺の質問に答えてよ。」

「……あんたには関係ねぇよ。」

結也さんにこんな口聞ける様になったなんて、俺も成長したもんだ。

なんて思ってたら、いきなり頭の上で両手を掴まれ、トイレの壁に頭を押し付けられた。

「ッ、結也さ……っ」

目の前には壁。

結也さんの表情は見えない。

「琉生は俺のものだって忘れたの?」

「やだっ、離してください……!!!」

服がまくしあげられ、結也さんの指が背中を伝う。

「まだユイヤ゙って名前彫ってほしい?」

「―――…ッッ、」

耳元でささやかれ体が震えた。

でも、そこで理人が来て、結也さんは去って行って、理人が家まで送ってくれた。

ぷちパニックになってたから、あんま覚えてねぇんだけど。





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