【BL】だいすきな青へ-Lost Memorys-



20XX年1月8日


昨日、結也さんのこと考えててぜんぜん寝れなかった。

おかげでテスト中めちゃくちゃ眠かったし。

五限目で爆睡した。

気付けば学ランをきた金髪の俺が立ってて、ああこれは夢だって直ぐに分かった。

―――結也さん、結也さん!

中学生の俺は今の俺を見向きもしないで、同じ学ランを着た結也さんの背中を追いかけた。

―――なに?

振り向いた結也さんは、こないだ見た結也さんより幼くて優しい表情をしていた。

―――だいすき。

なんのためらいもなく結也さんに抱きつく中学生の俺。

―――熱でもある?

―――なんでだよっ

―――セックス中以外に琉生がそんなこと言うわけ無い。

―――うるせぇよ。

なんて言い合いながらも幸せそうな二人。

懐かしい幸せだっだあの頃゙

今となっては忘れたい゙思い出゙

―――結也さんは誰のもの?

幸せそうに笑いながら結也さんに訪ねる。

―――俺は琉生のものだよ。

そう答えてくれるのが嬉しくて、馬鹿みたいに何回も聞いてたっけ。

その質問が自分の首を絞めてるなんて知らずに。

―――琉生は誰のもの?

……っ、やめろ。言うな。答えるな。

―――俺は………。

「やめろ…ッッ!!!」

ガタガタと派手な音をたててイスが倒れた。

あ、やべ、テスト中だった。

「柴崎くん?テスト中ですよ?」

テスト監督だった教師に睨まれる。

「スミマセン……。」

イスに座り直して、ため息をつく。

冬なのに汗かいてるし。

「琉生〜。大丈夫?」

テストが終わってすぐに優奈に聞かれる。

「へんな夢みてた……。」

「へんな夢?」

「忘れたいのに………。」

忘れたくないことはどんどん忘れてくのに、結也さんは忘れたいのに忘れられない。

いや、ずっと忘れてたのに…。

思い出したら頭から消えてくれない。

それでも結也さんのこと忘れたくて、めちゃくちゃバスケ頑張ったよー。

いや、いつも頑張ってるけどね?

思いっきり体動かしたらちょっとだけスッキリした。

もうすぐ新人戦だし頑張らねぇと!!!






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