すべり台〜あなたと過ごした20年〜
近くに行くと男の子は近くの棒につかまって震えていた。

私は気にせず

「ね〜早くすべってよ〜。」

男の子が目に涙を浮かべこっちを見た。

「え〜怖いよ…。」

「すべり台すべった事ないの?」

「うん…。」

え…。すべり台すべったことない…。
こんなに楽しいのに…

ドンっ

「わーーー」

男の子は勢いよくすべった。

私が押したからだ。

「わーーーん。ずるずる」

男の子は泣き出した。

「楽しいでしょ〜。わーい。」

「楽しくないよ〜怖いよ…。」

「何回もやれば楽しさわかるよ!もう一回!」

「麻衣〜。なに泣かせてるの!」

お母さんが泣き声を聞いて走って来た。

「だって、すべり台すべったことないって言うから、私が押してすべらせたの。」

「危ないでしょ!もうそんなことしちゃダメ。ぼく〜大丈夫〜。怖かったね〜。
お名前は?」
< 5 / 19 >

この作品をシェア

pagetop