DEBU専すくらんぶる
 キャサリンに持ち上げられ両足がマットを離れる。わずかな時間ではあるが俺は本当に天を舞っていた。次の瞬間に激しくマットに叩きつけられたのだが。
「痛っつ・・・!」
「油断はよくありませんわ。組み技で私に挑むのは無謀ではありませんかしら?」
 クスクスクス・・・右手の口に当て含み笑い、それを這いつくばった状態で見上げながら歯を食いしばる。
 初めての戦いらしい戦いに沸く観客。「カルマー!」シズカの声が遠くで聞こえる。
 ああ、俺に倒れている時間などない!体勢を立て直すと再びタックルのようなかたちでキャサリンに突っ込む。
 手から?ノン。足から?ノン。もちろん顔からだ!
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