DEBU専すくらんぶる
一羽の鶴が「この部屋を覗いてはいけません。覗いてしまったある男性は3日後に原因不明の病にかかり・・・」仔豚たちの話し声「俺たちも捕まるのかな」人魚姫が「海に引きずり込んじゃえばコッチのもんっすよ!」「俺をもてなす財力があるんだったら自分たちで亀助けろよ」「マッチはいりませんか」「長靴と袋をください」「樽、樽、樽の売り物はありませんか」マッチはいりませんか「赤い靴でレッツダンス!」「私は月に帰ります。お爺さんお婆さんも土にお還りなさい」マッチはいりませんか、マッチはいりませんか・・・
 俺は塔の最上階の部屋にたどり着いた。部屋の奥のバルコニーに、白いドレスに身を包んだキャサリンがいる。
「あら、ずいぶん頑張りましたわね。でももうお眠りなさい」
 太くて優しい笑顔だった。

 気を失う瞬間、激しく打ち鳴らされるゴングを聞いた。視界が斜め左に落ちていく、キャサリンの太い足、青いマット、闇。
 俺はすべての重圧から解放された。
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