DEBU専すくらんぶる
「カルマおはようー。なにその変なメガネ?」
後ろから声をかけてきたのは幼馴染の三好シズカだ。家が隣同士で同い年、ほとんど兄弟(姉妹?)のようにいつも一緒に育ってきた。腐れ縁で学校もクラスまでも同じなのが呪いチックで正直こわい。
 しかし、残念なことにシズカは(中)だ。
「ちょっと待っててくれたらいいのに、どうせ行くトコ一緒なんだからさー。ねえ、今日お弁当作ってみたんだけど食べてみるかい?」
いたずらっぽく笑うシズカ。小さな顔を包むショートヘアーがかわいらしい花の蕾を思わせる。しかし(中)。
「何キロカロリーくらいある?」
「そんなの計ってないよー。ダイエットしてるの?カルマぜんぜん普通じゃん」
「貴様はそんなことだから貧弱バディーなんだ」
「いいかげんデブ専なんてマニアックな趣味やめなよ。私なんか気立てもいいしこれでも結構かわいいって言われるし、カルマの事なら大抵知ってるから彼女にするならオススメだわよ?」
「冗談。棘の無い薔薇なんてスリルが無い」
シズカが「・・・私は本気なんだけどなぁ」と小さな声でつぶやく。でも俺の耳には届いても俺の心にまでは届かない。コレステロールの重さが足りないのだ。
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