○○を想うと~special Fan book~


デカイだけがいいんじゃない。
キノコはハリと太さとしなやかさが大切なんだ。



喜多川よりも
ぜったいに俺の松茸のほうが
美味しいのに………。





そんな風に胸の中で
上手く説明できない
純情で不可解な感情を空回りさせていると、
ある日事件が起こってしまった――……






その日は俺と部長、そして俺との3人で残業をしていた。





窓の外には雪のちらつく寒い日で
暖房をつけていても
全裸の俺達には、ちとキツイ。




全裸にネクタイの似合う部長も
さすがに今日の寒さは堪えたらしく





「おい、高宮。」


「はい。」


「悪いんだけど給湯室に行って、コーヒー入れてきてくれない?」


「あ、ハイ。いいですよ。
部長はキリマンジャロで…係長はブレンドでよろしいですか??」


「うん、頼む。」




俺達の部署で唯一のスーツ勤務、伊織にお茶汲みをお願いしていた。




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