○○を想うと~special Fan book~
は??
俺が部長を!?
ふざけるな!
そんなことあるわけねーだろ!?
「うぬぼれも大概にしてください。
俺が好きなのは伊織です。
なんで部長を好きになると思うんですか。」
俺が好きなのは伊織
愛しているのも、伊織
部長なんかが入る隙間なんて
あるはずがない。
そう、思って
強い瞳でギリっと睨みつけると
「素直じゃないね。」
「え?」
「自分で自分を騙すのが上手だね、藤堂は。」
そう言って
部長は余裕しゃくしゃくに
フフンと微笑む。
「どういう意味ですか!?」
イラついた俺が、キツイ口調で聞き返すと
部長は俺のアゴを右手でクイッと掴み
強引に顔を上に向けさせる。
「わからないなら、カラダで教えてやるよ。
イイコでおりこうさんな秀人くん、
恋愛にセオリーなんてないんだよ?」
「はぁ??」
「あるのは…
欲しいと思う気持ちだけ。
人を恋しいと思う気持ちにルールなんて、何一つない。」
部長はそう言って悪魔で天使な笑顔を俺に向けると
「試してみようか。
藤堂のその言葉が本当なのか。」
「ん、んん~っ!!」
「スキだよ、藤堂……」
俺の唇に
松茸の香りのような
爽やかなキスを落とした。