○○を想うと~special Fan book~
「スキだよ、藤堂。
オマエが俺で乱れる姿を見てみたい…」
そう言って
部長は俺の目の前にひざまずくと
俺の自然薯松茸に手をかける。
――ああ~~~っ!もうっ!!!
今度こそどうでもいいや!!!!
と、思ったその瞬間!!!
「ねぇ、しゅーちゃーーーーーん!!
よく探したら奥のほうにブレンドあったんだけど、モカとブレンドどっちがいーい???」
またしてもバターーーンと勢いよく扉が開いて、モカとブレンド、2つのカンを握り締めて嬉しそうに微笑む伊織が小走りで俺に近づいてきた。
そして俺はさっきの再現VTRのように部長を思いっきり突き飛ばすと、また前かがみになってネクタイでムスコを隠す。
――神様、仏様!!
お願いです!!
伊織にばれませんように!!
俺がビーチフラッグ松茸自然薯になっていることだけは絶対にばれませんように~~~!!!!
心の中は必死に祈りながら
でも焦りをひた隠しに隠して
「あ、モカで!!!
とりあえずモカで!!!!!」
俺は平静を装って
伊織にそう宣言する。