○○を想うと~special Fan book~
「しょうがないだろ?仁。
俺は高宮が好き。
高宮は俺が好き。
好きだから一緒にいたい。
だから結婚したんだ。オマエだって俺のコドモなんだぞ??結婚して家族になるのが自然だろ??男なら受け入れろ。」
冷静に的確にまるで仕事相手にでも言うように事務的に物事を伝える、桐谷慎。
一年前、突然ぼくの目の前に現れて、アリストコートで一緒に暮らすようになった桐谷慎。
こんな顔だけきれいな冷たいヤツがぼくの本当のお父さんかと想うと心の底からゾッとする。
「いやだ!!ぼくは高宮仁のままがいい!!
僕のパパはしゅーちゃんパパしかいないんだ!!」
ヒクヒクひきつけを起こしながら
涙ながらに訴えると
「あっそ。」
桐谷慎はぼくのお道具箱を手に持ったまんま、冷たい目をしてぼくを睨みつける。
――まけないぞ!!
こんな悪魔になんてぜったい負けない!!
フンっとお腹に力を入れながら、
泣きべそのまんま負けじと睨みつけると
「じゃぁ18になったときに高宮仁に戻ればいい。」
そう言って
桐谷慎はニッコリ妖艶に微笑んだ。