○○を想うと～special Fan book～

決戦の日の朝。

私は意を決して黒のタートルネックにジャケットを羽織り。
黒のショートパンツにブーツという出で立ちで会社へ向かった。






「藤堂係長、おはようございます。」




デスクに座っていたしゅーちゃんに声をかけると




「あ…、おはよ。」




しゅーちゃんは疑うかのような目付きで私の全身をくまなくチェックして。
私がタートルネックを着ているコトを確認すると




「いいな、今日の服装。
俺そういう服、結構好きだよ？」





満足そうにニッコリと微笑んだ。










しかし反対側では……



「喜～多～川～。
こんな程度で仕事した気になってんじゃねぇ!!!東京湾にしずめられてぇのか!!」




桐谷慎様のイライラは最高潮。

人柱になってしまった新入社員の喜多川くんがこっっってり絞られ、周りの社員は慎さまと目が合わないようにしゃかりきに仕事をしている。






そんな桐谷慎をしゅーちゃんは


「余裕ねぇのな、部長。」


そう言いながらフフンと鼻で笑う。






ピリピリしたムードの中で誰も何も言わずにしゃかりきにパソコンを打ち、せっせと仕事に励んでいると




「オイ、高宮!!」


「はっ、はいっ!!!」





桐谷慎様、直々にお声がかかる。


緊張しながら彼の近くに歩いて行くと



「今日、島こずえがくるからミーティングルーム片しといて。」


「あ…、ハイ。」