『女子中物語』 ダークネス
ミサキさんはヌエに馬乗りになり、なおもその顔を殴り続けます。

しばらくすると、ふたりの姿を車のヘッドライトが照らし出しました。

「井上さん!」

車から飛び降りた竜野先生がミサキさんとヌエに駆け寄ります。

助手席から降りた有田は松本先生の元へ。

「先生、大丈夫かい……?」

「肉を切っただけだ、それより……」

ヘッドライトの光に浮かび上がるミサキさんの姿。
ミサキさんは泣いていました。
大粒の涙を流しながら、ヌエを殴り続けます。
その拳はすでに弱々しく、震えていました。

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