『女子中物語』 ダークネス
「井上さん

あなたも、ああいう場合はすぐに逃げないと……

もしものことがあったら、あなたを預かっている身として、親御さんに申し訳が立たないわ」

ミサキさんが小さな声で「ハイ」と答えます。

「いや、ミサキはオレを守ろうとしてですね……」

松本先生が割って入ると、サトミ先生が松本先生を睨みつけて言います。

「当たり前です!あなたが一番無責任なんです!!」

ジリリリリリ……

「じゅ、授業に言ってきます!」

始業のベルが鳴り、松本先生はミサキさんの手を取って逃げ出しました。
サトミ先生は怒り心頭といった様子でしたが、残った竜野先生を見つめると、少しだけ悲しい目をしました。

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