『女子中物語』 ダークネス
さて、竜野という男性の教師。
とてもかっこよくて、やさしくて、
生徒たちに大人気の先生です。
担当は英語で、主に一年生を教えています。
今年28歳になる先生です。


<女子ラジ>は、竜野先生のMP3プレイヤーにも入っており、
作業がてら聴こうと思っていたらしいのですが、そのうち竜野先生は眠ってしまいました。


職員室に入ってきた松本先生は、机に伏せて眠っている竜野先生を見つけると、持っていた社会科資料集でその頭をはたきました。
あわてて起き上がる竜野先生を松本先生が怒鳴りつけます。


「竜野、てめぇ次授業だろうが、
もう始業ベル鳴ってるぞ!」


時計の針はすでに3時間目の始業時間を過ぎています。


「えっと、なんだっけ」

「1−Bだ、さっさと行ってこい!」

逃げ出すように職員室を出る竜野先生。

「……たく、だらけやがって」



「そういえば竜野くんて最近よく居眠りしてるよね
寝不足かな
悩みなんかかかえこんで」

音楽のヒカリ先生が言うと、サトミ先生が続けるように言いました。

「教師として成長している証(あかし)だわ」
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