『女子中物語』 ダークネス
心が焦る。

日が落ち、薄暗くなった空を見上げると、生徒たちの顔が思い浮かびました。

この空の下に、残酷な殺人鬼がいる。

平気な顔で、街を歩いている……。

なかば強引に巻き込んだ長谷川マイは、ヨルムンガンドをバージョンアップさせるために、いまもディスプレイの文字列をにらんでいる。

竜野とその仲間たちは、唐津中を駆け回っている。

自分は、なにもできない。

どうすることもできない。

ただ、生徒たちの安全を祈ることしか……いまは。


先生は、教室に生徒たちが残っていないことを確認すると、玄関を出て、校門へと続く長い坂道をおりていきました。
< 56 / 114 >

この作品をシェア

pagetop