『女子中物語』 ダークネス
坂道を挟んだ校舎の反対側には第一グラウンドがあります。

(なんだ……)

グラウンドからは誰かの走る音が聞こえてきました。

松本先生が目が悪いのと、すごく暗かったせいで、はっきりと捕らえることはできませんが、確かに誰かがトラックを走っています。

先生がグラウンドにおりると、もう足音はしませんでした。

走者であったであろう人物は、松本先生に背を向け、肩で大きく息をしています。

(まだ誰か残っていたか……)
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