『女子中物語』 ダークネス
松本先生は、自分専用の書斎のように使っている、B棟四階の社会科準備室に戻ると、たまった仕事に向かいます。
その間も、ヨルムンガンドのメールが届きます。
しかし、有力な目撃情報はありませんでした。

静かな部屋の中にいると、どうしても事件のことが気になり、仕事が手につきません。
時刻は午後6時を回っています。
気分転換に外の空気を吸おうと外に出た松本先生の足は、自然とグラウンドに向かっていました。

(……足音がする)

見ると、誰かがトラックを走っています。

先生はそれをしばらく眺めていました。

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