『女子中物語』 ダークネス
校舎を出て空を見上げると、雲が出ているらしく、星が見えません。

坂の上からグラウンドを見下ろしますが、人影はなく、いつもの聞こえてくる足音もありませんでした。

すこしだけ残念な気持ちになり、ふと坂をまっすぐにみおろすと、グラウンドの入り口に所在無さげに立っているミサキさんの姿が見えました。

ジャージのポケットに両手を入れ、あごから下唇までを立てたジャージーのえりにうずめ、いつものスポーツバッグをたすき掛けに掛けています。

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