Bitter Sweet Kiss
「やっぱり購買行ってパン買ってくる!」


机にバンッと手をついて言ったユウちゃんが教室を出ていった。


「そんなにカイ君がいいかなぁ」


ユウちゃんの背中を見送ったあとでサユミちゃんが言う。


「まー、それなりにカッコイイかもしれないけどぉ、そんな特別なイケメンじゃないしー」


……確かに、そんな特別じゃないかもしれないけど。
でも、カッコイイよ?


「スタイルだって悪くはないけど、背はカズ君のほうが高いしー」


でもわたしには、ちょうどいい高さだもん。


「でもやっぱりモテるみたいなのよね。人懐っこくて女の子と話すのがうまいんだって。ダイチンも言ってた。あれは天性のものだって」


カイ君がモテるって話題は、聞くたびに胸がチクンとする。
あの子供みたいな笑顔をいろんな女の人に向けてるのかな、なんて。
< 111 / 351 >

この作品をシェア

pagetop