Bitter Sweet Kiss
「ミトにカレシはいるのかって昨日訊かれたから、カレシも好きな人だっていないって言ったらうれしそうだったわよ」
「え」
わたしの口からもれた小さな疑問符に、サユミちゃんは気づかないでニコニコしている。
カレシがいないのは事実だけど、好きな人がいないなんてそんなことまで言わなくていいのに。
「今度遊び行くときはミトもおいでよ。ダイチンもすっごい喜ぶし」
モヤモヤとした気持ちが胸に広がっていく。
こんな心の内を誤魔化すように、わたしは、お弁当箱の中に残っていたイチゴを頬張った。
甘くない。酸っぱさばかりが口の中で満ちていった。
わたしにだって好きな人、いるのにな……。
だけど打ち明けていないから仕方がないんだ。
きっとこのままじゃいけない。どこかで話さなきゃいけなくなる。サユミちゃんにも、それからユウちゃんにも。
考えながら口の中の酸味を噛みしめていた。
「え」
わたしの口からもれた小さな疑問符に、サユミちゃんは気づかないでニコニコしている。
カレシがいないのは事実だけど、好きな人がいないなんてそんなことまで言わなくていいのに。
「今度遊び行くときはミトもおいでよ。ダイチンもすっごい喜ぶし」
モヤモヤとした気持ちが胸に広がっていく。
こんな心の内を誤魔化すように、わたしは、お弁当箱の中に残っていたイチゴを頬張った。
甘くない。酸っぱさばかりが口の中で満ちていった。
わたしにだって好きな人、いるのにな……。
だけど打ち明けていないから仕方がないんだ。
きっとこのままじゃいけない。どこかで話さなきゃいけなくなる。サユミちゃんにも、それからユウちゃんにも。
考えながら口の中の酸味を噛みしめていた。