Bitter Sweet Kiss
また運転席側に身を乗りだしたと思ったら、いきなりキーを抜き取って車を降りたんだ。

そんで走る走る走るーーー!!


「え」


慌てて追いかけたけどすでに遅しで、大きく振りかぶり投球ならぬ投鍵したサオリ。

その手から放たれた車のキーが、宙を舞い道端の草むらん中へドボンってね。

笑えるっしょ?

それでサオリ嬢はどうしたかっていうと。

ツカツカとヒールの音をさせながら戻ってきて、オレに向かって「バーカ!」だって。

親にも言われたことねーのに。

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