Bitter Sweet Kiss

サオリが去っていった後でオレは、仕方なく投げられたキーを探すことにする。

暗闇の中を雨に濡れながら………
って、オレってこんなキャラじゃないんだけど。

ったく。
勝手に発情しておいて、この仕打ちはないでしょ。

でも見つけないと帰ることもできないじゃん。

はぁー、オレが何をしたって言うんだよ。
っていうか、シなかったのが悪いって話? だよね、確実に。


頭ん中でつべこべ言いながらその道のまん中まで来たオレは、ふと立ち止まる。

あれ、この景色……見たことあるかも ――。

ふいに頭をよぎった思いが、遠い昔の記憶に手をさしのべた。




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