Bitter Sweet Kiss
「こ、これを使ってください」


慌てて立ちあがり、もう1本の傘を開こうとした。
そしたら肩に乗せていたわたしの傘が、ふわりとイチゴ畑の中へ。

そこへ葉っぱの群れを避けながら足を踏み入れたカイ君。


ヒョイと傘を手に取って

「これに一緒に入ろうよ」

って、わたしの隣へ並んだ。


顔を見上げる。ニコって微笑む彼。


「―――っ」


どうしよー。ドキドキが飛びだしてしまいそう。
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