Bitter Sweet Kiss
それで、そのあとで言われたんだ。
『あの子の名前だけは覚えてたのにね』って。
あの子 ――
遠い記憶の片隅で、はにかみながら微笑む幼い少女。
オレが誘いに乗らないことに腹を立てたサオリ?が、車のキーを投げ捨ててくれたおかげで、思いもよらぬ懐かしい場所に辿りついたあの日。
イチゴ畑に挟まれた小道。
10年以上も経つのに変わらない風景。
小学校の2年だったオレにイチゴをくれた少女。
あの子の名前もさすがにもう覚えてないけど、重なったんだ。
雨に濡れた一片の葉を、愛しそうに撫でてるミトの姿が。
『おにいちゃんもどうぞ』って採りたての赤い果実を差しだした、小さな笑顔と。
あの子の名前、キョウコちゃんなら覚えているかな ――。
『あの子の名前だけは覚えてたのにね』って。
あの子 ――
遠い記憶の片隅で、はにかみながら微笑む幼い少女。
オレが誘いに乗らないことに腹を立てたサオリ?が、車のキーを投げ捨ててくれたおかげで、思いもよらぬ懐かしい場所に辿りついたあの日。
イチゴ畑に挟まれた小道。
10年以上も経つのに変わらない風景。
小学校の2年だったオレにイチゴをくれた少女。
あの子の名前もさすがにもう覚えてないけど、重なったんだ。
雨に濡れた一片の葉を、愛しそうに撫でてるミトの姿が。
『おにいちゃんもどうぞ』って採りたての赤い果実を差しだした、小さな笑顔と。
あの子の名前、キョウコちゃんなら覚えているかな ――。