Bitter Sweet Kiss
「え」

「ダイチ君から聞いたの。ミットンのことを送ろうとしたらカイ君が連れてって、しばらく戻ってこなかったって」

「……」

「二人で、どこへ行ってたの?」


“消えた”なんてそんなんじゃないよ。

でもすぐに『違うよ』って言えないのは、打ち明けていないことがあるからだ。

ユウちゃんの気持ちを知っていながら、わたしがカイ君を好きなことは言っていない。


「ミットン…?」


不安げなユウちゃんが目に映って、わたしは慌てて言葉を探した。
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