Bitter Sweet Kiss
「消えた、なんてそんなんじゃないよ。
ただ、ただ……」

「『ただ』、なに?」

「タクシーをつかまえるのに、外まで送ってもらっただけなの」


本当のことなのに、なぜだかウソをついてるような気持ちになる。


「本当に?」

「うん」

「カイ君とは、なんにもなかったの?」

「あるわけないよ……そんな、わたしなんかと」


言いながら虚しい、そんな気分になった。
< 166 / 351 >

この作品をシェア

pagetop