Bitter Sweet Kiss
「あれっ いまって何時?」


急に真顔になって体を起こしたヤマト。


「ちょっと待って……えっと1時36分かな」


ポケットから電話を取りだして教えてやった。


「マジで? やばっ!
お母さんに昼頃帰るって言ってあったんだ」

「じゃあ、オレのから連絡しておけよ」


差しだすと、うわっ スマホだーとか言いながら、ぎこちなくダイヤルする。そして少ししてから顔をあげた。


「ダメだ。家もネーチャンの携帯もかけたけど、でないや」

「車で送ってってやろうか?」

「いいよ近いし。それにオレしか知らないヒミツの近道があるんだ。そこを通れば10分かかんないから」


得意気に笑って立ちあがる。
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