Bitter Sweet Kiss
「あいつ、自分しか知らない秘密の道を通って帰るって言ってたから、すれ違いになっちゃったかな」

「え。カイ君、ヤマトのこと知ってるんですか?」

「うん。さっき友達になった、っていうか……またミトちゃん、いまオレに敬語つかったでしょ?」

「え」


と彼女は咄嗟に片方の頬に手をあてる。そして顔を真っ赤にさせた。
その態度が結構可愛くて思わず笑ってしまう。

だけどすぐに彼女は表情を変えた。なにかを思いだしたのか、はっとしたあとで不安気な顔になる。


「どうかした?」

「い、いえ」


なんだよ。やっぱりクラブで会った夜といい、なんか態度がつれないじゃん。
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