Bitter Sweet Kiss
キョウコママはお料理も上手で、それでいてちょっと天然で。“キョウコちゃん”“カイちゃん”って呼びあう2人の姿も微笑ましくて、ほのぼのと温かい。

こんなカイ君を見ていると、この前クラブで見たあの彼は別人だったように思えてくる。

いま目の前にいる彼が本当のカイ君なんだって。


「ミト、どうした?」

「いいえ、なんでもないの」


敬語禁止もちょっとづつ慣れてきたとき、

「あ」

わたし、家に連絡してない。ヤマトを迎えに来たままだった。


急に思いだして、それをカイ君たちに告げる。

キョウコママは、わたしに何度も「また来てね」って言ってくれた。

笑った顔がカイ君にそっくり。すっごくキュートなお母さん。

車で家まで送ってくれるって言うカイ君につれられ、彼の家を出た。
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