Bitter Sweet Kiss
「…スを、してたから」

「声ちっちゃ。聞こえないんだけど?」


カイ君すごくイジワルな目をしてる。さっきエレベーターの中でしたみたいな。
その時々でキャラが違うみたいな彼に、戸惑い、そしてドキドキもする。

「カイ君が、してたから」

「オレが? なにを?」

「だから」

「もっ1回、カウントしよっか?」


いま目の前にいるのも確かにカイ君。

無邪気な笑顔を見せるのも、酔ってヘラヘラしてるのも、ママと仲良しなのも、こんなドSキャラなのも……知らない誰かとキスをしていたのも ――

全部がカイ君で。

どんな彼だってわたしは、好きなんだ。
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