Bitter Sweet Kiss
「ミト、おはよ」
「あっ サユミちゃん、おはよう」
校門の少し手前、駆けてきたサユミちゃんがわたしの横へ並ぶ。
「聞いたよミト。
カイ君のマンションに行ったんだって?」
意味深な笑顔で顔をのぞきこまれた。
「え。
……どうして知ってるの?」
「カズ君から聞いたの。ミトって見かけによらずやるねー。
ねぇ、いつからそんな仲良くなったの? っていうよりカイ君のこと、ぶっちゃけどう思ってんのよ?」
ニヤニヤしながら、わたしのわき腹を突いてくるサユミちゃん。だけど、同じようなテンションで返すことができなかった。
どうしよう……
頭に浮かんだのは、ユウちゃんの顔だった。