Bitter Sweet Kiss
名前だけじゃない。

その周りにはいろんな色でイタズラ書きがしてあって、目にするのも恥ずかしくなるような単語がいっぱい……。


「どうしたっていうの?」

あきれたように言いながらサユミちゃんが中へ入って行った。


「だってこの男が、とんでもないウソを言いふらしてるから!」

遠山君のことを顎で指しながらユウちゃんが言う。


「このひどい落書きアンタが書いたわけ? くっだらない! ほんっとガキなんだから」

教壇に上がり、黒板消しを手に乱雑に消していくサユミちゃん。


そしてチラッと振り返り「アホかっつーの」と一瞥すると、

「言っとくけど書いたのはオレじゃねーからな」

と遠山君が言った。
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