Bitter Sweet Kiss
マンションの地下へ駐車しエレベーターへ乗りこんだ。
〝11” に続いて〝close” ボタンを押しかけたオレは、慌てて〝open”をプッシュする。
「ありがとー、カイくん」
駆けこんできたその女(ヒト)が笑う。
「どういたしまして」
返しながら彼女好みの笑顔を向け、〝7”を押してあげた。
それは彼女の部屋がある階数だから。
確かナツミさんっていったっけ。
職業はクラブホステス。
前に偶然、夜遊び中にバッタリ会ったことがある。
オレのほうは違う種類の“クラブ”の帰りだったけど。