Bitter Sweet Kiss
夜の8時をまわったくらいだと思う。

特に門限が決められているわけでもないけど。学校から帰ったあと、しかも夜に出かけることなんてないわたしに、お母さんは不審な目を向けた。

でも説明してる余裕なんてなかった。


「ごめんなさい。すぐ帰るからっ」


勢いよく飛びだした。
そうしないと止められるのがわかっていたから。

でもね、たとえ叱られても止まれるわけがなかった。

早く彼の元へ。それしか頭になくて、ただ夢中だった。


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