Bitter Sweet Kiss
告げられた場所へ向かうためバス停へ急ぐ。
でも途中で携帯がまた鳴って、慌てて出たわたしに彼は言った。
「ごめん。やっぱ場所変更」
「え?」
「ストロベリーロードに来て」
「ストロベリーロード?」
訊き返したのにそこで回線は途絶えた。
ストロベリー……?
頭の中でその単語を繰り返してみる。
……思いだしたのは、あの夜の雨と彼の笑った顔。
そしてわたしは、くるりと向きを変えまた走りだしたの。