Bitter Sweet Kiss
「だって電話でカイ君、苦しいって助けてって…」

それだけ言っただけなのに、じわじわと目頭が熱くなってきて。


「なんで涙目になってんだよ?」

って笑いながら、わたしの顔をのぞきこんできたカイ君の顔がぼやけて見えた。


なんの病気なのかは知らない。
でも家に行ったとき、カイ君のママも薬の話をしてたよね。

だから発作を起こしたんじゃないかって、倒れてたらどうしようって、無我夢中で走ってきたの。

涙が出るのは心配だったから?

そうだよ。
でもね、それだけじゃないの。

きっとこの涙のワケは、好きだから。

カイ君を好きだと思うだけで溢れてくる、想いと一緒に。
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