Bitter Sweet Kiss
夜の景色に重なるカイ君の横顔。

何度見てもカッコイイなぁって見惚れてドキドキして、ますます好き度が増していく自分に気づく。

そしてわたしは、好きって気持ちに限界はないのかも、そんなことを思った。


30分くらい走ったところで、夜景が見おろせる丘の上で車は停車した。

シートベルトを外し、シートにもたれたカイ君。
軽く伸びをして短く息を吐いて、ちょっとの沈黙の後でこう言ったの。


「キョウコちゃんがさ、結婚するんだって」


唐突に切りだされた言葉に、なんて返していいのか戸惑ってしまったけど、そのまま話を続けた彼。


「ちなみにその相手ってオレの父親なんだけどさ。そうは言っても生まれてから一緒に暮らしたこともないし、戸籍上でだってずっと繋がっていなかったから」


そこまで言って、自嘲気味に薄く笑った。
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