Bitter Sweet Kiss
いい女だな、とは思う。

美人だしスタイルだっていいし。
しつこくなさそうだし。割り切れそうだし。

でもさ。

この色香に惑わされて足を踏み入れたら、きっと危険なんだ。直感が悟る。

危ないよ? って。
こっちがヤケドするぞって。


7階へ到着したエレベーターのドアが開いて、香水の香りがオレの横を過ぎる。


「じゃあ、またね」


色っぽすぎる彼女の微笑に危うく吸いこまれそうになって、きわどいところで踏みとどまったオレだった。


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